離婚したら学資保険に加入は必要?
心理的に安心できるメリットはある
学資保険は、親が何かあった時に家族が路頭に迷うことがないようにするための保険です。
子供がうまれて、まだ「離婚したい」とも思っていなかった時には、夫婦であれこれ考えますよね。
生命保険会社の「こども保険」や郵便局の学資保険に加入しなきゃ、と気になったりします。
子育て中なら一度は考える、学資保険。
子供の病気やケガだけでなく、進学時にまとまってお金をもらえる機能もついていたりしますよね。
夫婦がそろって子育てをしていれば、学資保険の加入のメリットがあるかないか、についてそれほど神経質にならないかもしれません。
でも、離婚して子供を一人で育てていくとなると、それなりに子供にかかるお金のことも考える必要が出てきますよね
離婚前にできることなら、財産分与の一環として、学資保険の名義変更はしておきたいものです。
財産分与として学資保険の継続ができなかったりした場合、離婚したら、そもそも学資保険が必要なのか、月々のお金を払い続けるメリットやデメリットを考えてみますね。
学資保険とはどこが他の保険と違うのか
学資保険とは、何かと言えば、積立預金と保険が合体したような金融商品なんですね。
生命保険とどこが違うの?という疑問もあります。
生命保険よりも積立預金の性質が大きいのが学資保険です。
掛け金のほとんどが、満期返戻金として戻ってくるんですね。
「こども保険」という名前でという名前で、同じようなものもありますよね。正確には、学資保険はこども保険のカテゴリーに入る商品の一つ、と言われています。
学資保険や子ども保険には、「学」や「子供」と名前がついていますが、実際には親の保険です。
保険料を払っている人が、もしものことがあって、保険料を払えなくなっても、その後の保険料の払い込みが免除されたりするものです。
だから、もしも親が元気だったり、亡くなっても家族が路頭に迷わなければ、加入しなくてもいい保険なんですね。
保険内容としての学資保険にメリットはない?
学資保険には、子供の病気や怪我に備える機能や、進学時に数十万単位でお金がもらえるものがあります。
ここで、保険内容として子供の怪我や病気での入院だけに焦点を当てて見ると、学資保険に入っているからというメリットがあるわけではないんですね。
それは、自治体が医療費が無料にしたりして、かなりのところまでカバーしているからです。
例えば、東京23区内など都心近郊では、中学校3年生までの医療ひが無料だったりするので、わざわざ保険に入ることはない、と考えることもできます。
「健康保険証」のほかに、「子供医療受給券」などの名称で、病院で提示することもありますよね。
進学するときのお金を貯める機能についても、一般の貯蓄型の保険と同じように、運用利回りが低すぎる、という点もあります。
離婚して、子供が1歳2歳くらいの小さい頃に学資保険に加入したとしても、保障より貯蓄を重視したタイプでは、高校入学時に200万受け取るタイプで、月12,000円程度です。
このまま払い続けたとして、実際に高校入学時には220万近く払い込むことになります。
払い込み額より、もらえる額が少ないと、どうしても有利とはいえない気にもなりますよね。
もちろん、払込額よりももらえる額が多くなるものもあるのですが、18年近く積立預金として計算すると、お得とは言いがたいです。
となると、貯蓄に関しても、一般の定期積立預金で貯めたほうがお得な気がしてきますよね。
学資保険のデメリットは戻ってくるお金が少ないこと
学資保険のデメリットは、満期になっても掛け金よりも若干少ない金額しか戻ってこない場合が多い、ということです。
掛け金よりも満期返戻金(戻ってくるお金)が少ないから、なんですね。
学資保険には医療保険、生命保険が含まれているので、仕方のないことではあります。
が、死亡保険金を低く抑えることで、掛け金と同額の返戻金が受け取れる商品もあります。
だから、学資保険に入るくらいだったら貯金をしたほうがいい、とも言われますよね。
確かに金額面だけを見れば、そういう点はありますよね。
県民共済などのチラシを見ると、純粋に子供の入院費用などの保険ならば、月々の掛け金が1000円から入れるものもあります。
ところが、貯蓄を重視した生命保険会社のタイプだと、いきなり月々の金額が1万円近く跳ね上がります。
学資保険は本当に必要か
それでも、学資保険は、定期積立預金よりお得なので、金融商品として入る、という面では必要な人もいるはずです。
定期積立預金とは
学資保険と定期積立預金とよく比較されます。
定期積立預金というのは、毎月、自分の口座から自動的にお金が引き出されて、預金として積立られる、というもの。もちろん、定期預金と違って、定期積立預金は、お金を引き出すこともできます。
そして、口座から勝手に引き落とされて、知らず知らずのうちに預金ができるのがメリットです。
できるだけ節約、節約、という頭で考えると、学資保険の加入をためらっている親も多いんですよね。
節約のススメみたいな本では、学資保険は無駄でカットの対象と書かれていることもありますよね。
節約本などでは、よく「学資保険は無駄だから入らないほうがいい」というような記載もありますしね。
昭和の終わりくらいまでは、子供が生まれたら学資保険に入る、というのが王道だった時代がありますよね。
今でも、そう思っている人もいます。
ただ、学資保険のメリットをよく知ってから、「学資保険に入ったほうがいい」と言っているのかは微妙なところがあります。
学資保険を金融商品としてみると、メリットは大きいです。
それは、子育て中の人にとっては、学資保険はまたとない効果的な金融商品だからなんですね。
学資保険に加入した場合のメリットとは
学資保険は親に何かあったら、(高度障害、脂肪など)、その後の保険料が免除になって、また、子供の病気や怪我などでも保険料がおります。
学資保険で、医療保険の役割をするくらいなら、別に医療保険に入ったほうが安くつきそうですよね。
純粋に金額面だけをみると、そういう場合もありますが、学資保険のメリットはそういうところではないんですね。
もし、これらの保険に全部加入しようと思えば、かなりの数の保険に入らなければならないですよね。
費用も相当にかかります。
離婚してから、母子家庭・父子家庭になって、親が仕事をやめざるを得ないときなどは、大きな精神的なメリットがあります。
だから、子供の医療保険だけに入っていても、完全な代替策とはならないんですね。
さらに、学資保険にも、自動的に貯蓄してくれる定期貯蓄のメリットもあります。
子育て中の世帯などでは、どうしてもお金を使ってしまうこともありますよね。
お金が余ったら、貯金に回そう、と思っていてもなかなかできないものです。
学資保険として、自動的に貯金ぶんを収入からのぞいておけば、いやでも貯金しなければならないようになります。
そういった心理面も含めた費用対効果を考えると、学資保険はとてもメリットのある金融商品なんですね。
離婚した後に学資保険に加入することは必要かのまとめ
どうしても離婚すると、お金にはシビアになってしまいますよね。
子供のことどころか、自分のことでもいっぱいいっぱいになってしまうこともあります。
でも、親の都合で離婚したのに、子供にできるだけ悪影響は及ぼしたくはないですよね。
できることなら、離婚前から学資保険に入り続けておいて、そのまま保険を継続する、という選択をとりたいものです。
学資保険に加入は必要かは、子供の成長と親の心理的な部分と、お金のバランスです。
周りの意見に惑わされることなく、「月々にかかる掛け金」と「心理的なメリット」との比較で、学資保険の加入を考えましょうね。