価値観を合わせるのは愛がない依存に向かうから
結婚したら、お互いの価値観が合っている方が、仲良くいられるような気がします。
でも実際には、価値観が合っているから結婚生活が続く、というわけではないんです。
結婚する前には、価値観が合う人との方が長続きする、って思い込んでいますよね。
だから、価値観を合わせる方がいい、と思っていたりします。
でも、価値観って人それぞれ、大なり小なり違うわけです。
違う二人が、結婚して一緒になる。
本来は、結婚って価値観を合わせるんじゃなくて、許し合う方向なんですね。
違う価値観を認め合う=愛し合う
ということです。
逆に、結婚して価値観を合わせると、逆方向に向かって、「価値観が違うから」という離婚の原因にもなってしまいます。
それは、
「価値観を合わせる=愛がない=依存に向かう」
からです。
ここでの妻の体験談では、価値観を合わせることで、結婚生活が疲れ切って、悩みを抱えていまっています。
結婚したら、価値観は合わせるのではなく、認め合って許す方向にすべき理由を、詳しく説明しますね。
結婚は価値観を合わせることと思っている妻の体験談(継続中)
初美さん(仮名 37歳)は、夫とは恋愛結婚で、結婚生活は、7年になります。
初美さんが、結婚生活、そして今までの自分の人生を振り返って、気がついたことがありました。
それは、いつも他人の顔色をうかがって今まで生きてきた、ということ。
- 自分より他人の意見を優先したり
- 人を傷つけないように、細心の注意を払って言葉を選んだり
- 相手に嫌な思いをさせたくない
- 理不尽なことをされても、怒りを抑えて自分の中に閉じ込めたり
自分が我慢することで、なんでもうまくことが運ぶ、
そして、人を傷つけるより傷つけられてもいいい、との考えで、全てを他人中心で考えてきたのでした。
こういう風に考えるようになったきっかけは、日常のさりげない会話からでした。
初美さんの、夫に対する期待に
- 「なんだか重たいな」
- 「俺たち価値観が合わないな」
と、言ったあとに、夫から冗談っぽく「離婚」をほのめかされたからです。
今まで考えたこともなかったことだし、びっくりしたのですが、
- こんなに尽くしているのに
- こんなに愛しているのに
- こんなにがんばっているのに
と不満が生じたのです。
今の夫と結婚した時も、「結婚とは二人の価値観が合っている方が長続きする」と思っていました。
周りでも、
「お互いの生活上の価値観のすり合わせだよ」
なんて言われると、自分の考えていることが正しいような気がしていました。
でも、初美さんは、
結婚は価値観を夫に合わせること、と解釈していたのです。
結婚してからしばらくは、「価値観が違う」と思いつつも、『この時期を乗り切れば何とかなる』と思っていました。
そんなことを続けてきて、ふと「私って何なんだろう」と思うようになったのが、結婚してから5年目でした。
夫にも
- 「何も考えてなさそうだね」
- 「悩みなさそうだね」
とも言われます。
でも実際は、初美さんは、常に夫の顔色をうかがって行動しているし、頭の中ではどうやったら、ケンカしないで過ごせるか、と考えています。
それなのに夫に「何も考えてなさそう」など言われると、落胆してしまいます。
- 『今まで他人に気をつかってしてきたことも、何も伝わってないのかな』
- 『いつもボケっと過ごしてるように見えてるのかな』
と。
価値観を合わせようと意識している夫だけではありません。
結婚する前からの友人にも、同じように言われます。
初美さんは、価値観のことを考えると、「誰も私のこと理解してくれてないんだな」と自分で結論づけています。
今までしてきたことが、何もかも無駄だったのか、とさえ思ったりもします。
思い返すと、結婚する前から価値観を合わせる生き方をしてきた自分に、なんだかもう疲れているんです。
これからも、自分を押し殺して生きていくのも重荷になってきているんです。
価値観を合わせる生き方が、自分で自分の首を絞めているような気がして、今は、何かを見失っています。
価値観の違いを許すのが結婚
男女の付き合いでも長くなると、お互いの違う価値観が見えてくるものですよね。
結婚は価値観が近い人を選ぶといい、ともいわれたり、、
結婚したら、価値観を合わせるように、夫婦で話し合う、とも言われます。
そもそも、この結婚で価値観を合わせるという考え方自体が間違っているんです。
夫婦で愛し合える関係が、結婚して価値観を合わせるって、変ですよね。
もともと、違う人間同士の価値観を、許し合うのが、愛ですよ。
どんなに好きで結婚しても、生まれ持った性格や育った環境は全く違う相手なんですね。
価値観の違いを許せることが愛で、価値観を合わせることが愛するということではないんです。
価値観を合わせる方向になったら依存
結婚しても、その違う価値観を、妻や夫が無理やり合わせようとすると、依存が始まります。
具体的には、価値観を合わせた見返りを求めてしまうんですね。
違う価値観を、どちらかが無理矢理合わせようとしてしまうから、
- こんなに尽くしているのに
- こんなに愛しているのに
- こんなにがんばっているのに
と不満が生じてしまうんです。
この不満は、愛ではないですよね。
もう、寄りすがる依存です。
気持ちの中では、『もっと愛されたい』と思って、さらに相手の価値観に合わせようとするわけです。
愛情より欲求が先行した気持ちになってしまうんですね。
もっと愛するために、違いを許す、という方向とは逆方向です。
価値観を合わせる先にあるもの
こうして、「結婚が価値観を合わせる」ことだと、かたくなに思い込んでいると、どうしても心はネガティブになってしまいます。
愛情より、相手に愛されたい欲求が大
↓
相手に依存する
↓
悲観的になったり、攻撃的になったりする
価値観を合わせることが、愛することではなく、価値観の違いを許せることが愛すること
この根本がわかっていないと、気持ちのバランスを失って、消耗するだけの結婚になってしまうんです。
依存は、愛ではないですからね。
- 愛している:価値観の違いを許せること
- 愛していない:価値観を合わせる
結婚相手からしてみれば、自分を曲げてまで価値観を合わせた時点で、「もう愛していません」といわれたように感じるんです。
愛していないと感じたら、結婚していたら「離婚」の文字がちらついても、おかしくはないですよね。
よく離婚の原因で言われる「性格の不一致」は、こういう価値観の違いを合わせる方向に持っていった離婚も含まれているんです。
これが、結婚して価値観を合わせると、愛はなくなり、逆に「価値観が違う」理由で離婚してしまう理由です。
結婚で価値観を合わせる(まとめとアドバイス)
恋人や結婚したての頃は、まだウキウキだったり、お互いの違いよりも同じところしか見えてませんよね。
だから、そのまま価値観を合わせる方向に行きがちです。
でも、結婚して価値観を合わせると、愛していない、という結論に向かい、最後は「離婚」という結論になることもあります。
夫婦は、結婚しても、わかり合えないことほんと多いです。
お互いがある程度、理解できるようになるにはすごく時間がかかります。
やっと分かり合えた頃、既に年老いているなら、まだ早い方ですね。
ここ最近は、年老いてから熟年離婚して、新しいスタートを切る人も珍しくないです。
たとえ、離婚したとしても、一時的にはショックでも人生終わったワケではありません。
大丈夫、前を向いて生きていればまた縁があります。幸せになるのも気持ち次第です。
離婚した後に幸せになる人は、実は離婚前にすでに決まっています。
→離婚して幸せになった人と不幸な人の違いは2つ|離婚時に既に決まっている
とはいえ、現実問題として、子供がいたり住宅ローンが残っていたりしたら、なかなか離婚なんて考えるだけで重くなってしまいますよね。
お金の問題で頭を抱えてしまうものです。
離婚する時に、住宅ローンがあると、財産がゼロになる可能性もあります。
財産分与で損しないためには、自宅の価値を把握しておくことを後回しにしなければ大丈夫です。
自宅が財産になるかをチェックする方法は、住宅ローンと自宅の価値を比較するだけです。
→住宅ローンがあるときの財産があるかのチェック方法