裁判例での基準は「夫婦生活が破綻しているか」
マザコンって聞くと、「きもっ!」って思いますよね。
でも、古風な女性が好みだという男性にマザコンは多いそうです。
マザコンのタイプもいろいろで、
- 逆ギレ
- 亭主関白
- 暴力
- 親離れしていない
- 何でも母親に告げ口する
いろいろなタイプがありますよね。
少しくらいのマザコンなら許すことができても、度が過ぎると、妻を見下すような態度になってしまいます。
どんなマザコンのタイプでも
母親 > 妻
という、なんでも妻より母親優先になると、離婚を考えてしまいますよね。
母親優先になると、離婚したいと思う程度のマザコンレベルが、妻にとっては精神的にモラハラと同じになります。
マザコンとモラハラは紙一重
裁判例ではあくまでも「夫婦生活」が「破綻」かどうか、です。
ここでは、今までの裁判の基準で、マザコンが理由で離婚できる場合なのかを紹介します。
マザコン?モラハラ?アダルトチルドレン?
やさしい性格。趣味が同じ。
と思って結婚したのですが、 夫がマザコン だったんですよね。
マザコンって結婚するまではわからないかもしれないですよね。
結婚して、マザコン夫と知ったから、キモーーーwww 離婚したい!って思ってしまうものですしね。
何もかも妻より母親のことを優先されたのでは、妻としておもしろいはずがないですからね。
ところで、夫のどんなところがマザコンだと思うんですか?
夫は私より5つ上で、体裁を気にして、外面の良いタイプなんですね。
子供が生まれてから、夫婦関係が悪くなって、離婚しようかとずっと悩んでいました。
同じ頃に、理由もわからず夫の私への 夫の母と比較をする暴言 が始まったんです。
「お前は何もできない!」と毎日言われて、かなり自信喪失してしまいました。ウツになりそうな日々でした。
子供のことを考えると離婚することは踏み切れなかったんですが、時間がたつほどに、完全に夫への愛情は無くなり、生理的にも受け付けない状態になってしまいました。
夫は、家事育児の協力はすることはなく、家にいても寝てばかりです。
なるほどね。
でも、どちらかといえばマザコンというより モラハラっぽいかんじもしますね。
それで、離婚したいという話しは旦那さんとしたんですか。
離婚を決意してからは、夫に知られないように実家に戻る段取りを取って、次の職場の手配もしました。
それから、「この状況が続くなら離婚したい」と言ったんです。
そしたら、夫は「変わるから....」と 泣きつかれた んでとりあえずその場は踏みとどまりました。
180度、態度が変わってしまったんですね。
子供っぽくなったっていう意味で・・・・
旦那さんは「アダルトチルドレン(AC)」ですね。
心療内科でよくある診断です。
とはいっても、病気ではなくて育ってきた環境が影響するんですね。
同時に、相手を押してみたり引いてみたりして試す方法をとります。
だから、暴言を吐いたり、見捨てられそうになると泣きついたりするんですよ。
コロコロ変わって行動や言動に一貫性が無いのがアダルトチルドレンタイプの夫です。
こういう人は、最初はマザコン夫にも見えたりするしがちです。
じゃぁ、夫はマザコンじゃないんでしょうか?
本当のマザコンの夫は、どんなことも母に相談して指示をされなければできないような人ですよ。
たとえば、デートするにもどこに行くかを母親にたずねるとか、付いてきたりするとか。
新婚旅行もどこにするかを母親が決めるとか。
妻である奥さんのことは受け入れないで、いかなる場合でも、奥さんよりも母を優先するのがマザコンですね。
親離れ、子離れ ができているかどうか、なんですね。
家族の育った環境って人それぞれなんですけど、
とにかく母親の支配欲と干渉がすごい家庭に育ったりするとマザコンっぽく感じちゃいますね。
- 「それ、母さんがおかしいよ」
- 「参考までに意見は聞くけど決めるのは俺だから。嫁に文句を言わないでくれる」
といったようにですね。
そうであれば、モラハラではないですし、むしろ、家族思いでもあります。
どうしてもマザコン夫とは離婚したい、と思うなら、我慢するか、自立して離婚するかです。
夫が育ってきた環境を変えようと思ってもできないですから。
マザコンはすべて悪なのか
マザコン、マザーコンプレックスという言葉は心理学用語でも、英語でもないんです。
日本で生まれた和製英語なんです。
なぜなら、世界各国で母親を敬い仲良くする成人男性をネガティブにとらえる文化は、日本独特のものだからです。
そもそも母親の愛情たっぷりに育てられることは大事なことで、プラス効果も結構あります。
母親に愛されている人は、もっと褒められたい、愛されたい、と頑張るから野心的になって成功しやすいと言われます。
マザコン夫の裁判例
母親べったりのマザコン夫だった。。。→協議できず、調停でも不発 → 離婚訴訟!
こんな流れで離婚が話し合いで決着がつかないで、離婚訴訟まで進んだとします。
裁判所はマザコン夫ということで離婚を認めてくれるのか、といえばそれだけではムリです。
マザコン夫だから、という理由はいわゆる「性格の不一致」ということになるのですが、
この性格の不一致だけを原因として離婚が認められるわけではないからなんです。
前提として、
- 夫婦生活が回復しがたいほどに破綻しているか
(円満な夫婦生活を回復する可能性はないのか)
- 夫婦関係を継続するために十分な話し合いや努力がなされたかどうか
ということが問題にもなるんですね。
もともと結婚は、お互いに生まれも育った環境も全く異なる二人が、共同生活を送るわけなので、性格が一致しないというのは当然なんですね。
悪いマザコンとはすべての基準が母親
マザコンだって、一緒に生活してみてはじめて、結婚前にはわからなかったお互いの性格がわかることもあるのも、また当然です。
悪いマザコンとは、成人しても単に母親の機嫌をとるだけの行動をする男性です。
妻の意見と母親の価値観が違う場合に、ただただ親の意見を支持するようでは、夫婦関係を維持できないですからね。
例えば、転職や結婚など大事な問題を母親に相談するのは問題はなしです。
でも、判断は最終的に自分がしなければならないものです。
ざっくりした基準で言えば、父親と母親を同じくらい大切にしているか、です。
”母親だけにベッタリ”というのはかなり危険です。
自立していなくて、母親に依存しているという状態ですね。
「お母さんに気に入ってもらえなかったから」と断ったり、気に入ったから受ける、というように基準が母親だとダメ、ということです。
やはり、マザコン夫とは今後の生活は難しいかも、と思うことがあって、財産分与を考えているなら、今の自宅の価格は必ずチェックしておく必要があります。
離婚したいと思ったら、ある程度、家にある財産を把握していると、心の余裕を持つことができます。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
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離婚できるくらい過度のマザコンの例ってどの程度か
たとえば、
- 夫が母親と同じ寝室で寝る
- 洋服は母親に着せてもらう
- 母親と一緒に風呂に入る
など常識ではとうてい考えられないような行動をとっている夫がいたとします。
基本的に母親に気を使いすぎて、自分の行動に制限が加えられるのは問題ありです。
そこでは、すでに愛情は失われて夫婦の共同生活も絶望的に破綻していてたりして、
別居状態がある程度継続している場合に、どんなに努力しても円満な夫婦生活を回復するとは認められない、というような状況があれば、
裁判所もマザコン夫と離婚を認めてくれるはずです。
離婚の請求が法廷までいってしまうというのは、夫婦間の話し合いや離婚調停で夫婦のどちらかが離婚に反対しているわけです。
裁判所は夫婦双方の反省や努力によって、または、周囲の協力や援助の程度によっては、円満な夫婦生活を回復できる余地があると判断したら、離婚判決の請求を破棄してしまいます。
離婚のことで悩んでいたり知りたいことがあれば、まずは家庭裁判所に行くといいです。
もちろん、「離婚できるか、できないか」の判断はしてくれませんが、主に手続き的なことであれば、わかりやすく教えてもらえます。