離婚調停の期間にすることの流れ
調停にかかる期間は、おおよそ6ヶ月〜1年です。
ここでは、調停の期間に、節目ごとに何をしていくのか、を紹介します。
申立が受理されると
離婚調停の申し立てが受理されると、事件番号がつけられます。
この事件番号が名前のようなものです。書類や資料を家庭裁判所に郵送したり、なにかの問い合わせをするときにはこの番号が必要になります。
申立が受理されてから1〜2週間後
裁判所内部で、書類の事前チェックがあった後に、調停委員が決められて、家庭裁判所が第一回目の調停期日を指定します。
申立が受理されてから1ヶ月〜1ヶ月半後
呼び出しに応じて、出廷します。
調停が行われるのは、平日の昼間。1回の時間は2時間程度です。
呼び出しは双方に対して同日同時間なのですが、申立人と相手方は、原則として同席することはなく、控え室も申立人と相手方で分けられているので、まったく顔を合わせないまままでも調停は進められます。
すると、通常男女各一人の調停委員が、申立人と相手方それぞれの言い分や事情を聞いて問題点を整理したり、今後の調停の方向付けをします。
→離婚調停での雰囲気
どうしても指定日に出席できない場合は、家庭裁判所に「期日変更申請書」を提出すれば変更してもらえます。
正当な理由がなくて裁判所の勧告にも従わないで欠席を続けると、5万円の過料に処せられることもあります。
詳しくは→調停の呼び出し期日に出頭できない場合
弁護士などに代理人を依頼した場合も、本人と代理人が出席するのが原則です。
第2回以降の調停期日は、前の回の調停の席で決まります。
調停期日のスケジュールは、その裁判所の業務状況によるのですが、1ヶ月から2ヶ月に一回の割合が通常です。
6ヶ月〜1年で調停が終了すると
調停が成立したら
調停を何回かすると、申立人と相手方の間で離婚の意思が固まって、双方が納得することができて、調停委員会が離婚するのが妥当と認めた場合には、離婚が成立し調停が終了します。
たいていの場合は調停は何回か開かれますが、およそ8割は6ヶ月以内に解決するなど結論がでています。
調停の内容がまとまると、審判官(裁判官)は、調停の行われている部屋で、当事者の前で調停事項を読み上げ、当事者に確認させます。
調停の内容に異議がある場合には訂正してもらいます。
ここで、わからないことがあれば、納得できるまで説明を受けるようにします。
調停調書に記載がないことは、調停で決まったことにならないので、必要なことは必ず調停条項に入れてもらうようにします。
調停成立の時に決まってしまうので、調停の内容そのものは後で変更することはできません。
調停が終了して、離婚の意思や離婚に関する具体的な合意内容を、調停委員と審判官(裁判官)と裁判所書記官が立ち会って、調停調書が作成されます。
調停調書として作成します。
この調停調書が作成された時点で、調停離婚は成立します。
離婚成立日は、調停が成立した日になります。
調停調書は、確定した判決と同じ効力を持っているので、作成後には記載内容に不服を申し立てることができません。
また、強制執行もできます。
調停が成立して10日以内に市区町村に届け出る必要がある
離婚調停が成立したらあとは手続きだけです。
調停が成立したその後は「離婚届」を提出するのみです。
調停調書が作成された時点で、法律上は離婚が成立していることになっています。
調停調書が作成されると家庭裁判所での調停手続きは終了するからです。
法律上、離婚は成立しているのですが、戸籍に記載してもらうために調停調書とともに離婚届を提出しなければなりません。
申立人・相手方のどちらか一方が調停調書の謄本を添えて、調停成立の日から10日以内に離婚届を本籍地、あるいは住所地の市区町村役場戸籍課に、離婚届と調停調書の謄本を提出して、提出する必要があります。
本籍地でない役所に提出する場合には、戸籍謄本が必要です。
離婚の調停が成立したからといって、裁判所が市区町村役場に離婚についての届けをしてくれることはありません。
この場合、離婚届の署名押印は申立人だけでよくて、協議離婚のような証人も必要ありません。
離婚調書の謄本を添えて提出が必要です。
調停調書の省略版も提出できる
調停調書には、離婚の成立以外にもその他の合意内容のすべてが記載されます。
これを役所に提出することに抵抗を感じる場合は、裁判所が当事者の求めに応じて別途作成する省略調書を調停調書の代わりに提出することもできます。
省略調書には、離婚の成立と未成年の子供の親権者だけが記載されます。
離婚届が提出されると、戸籍には「調停離婚」と記載されます。
届け出をしなくても、調停離婚では、家庭裁判所の調停成立時に、離婚は成立しているので離婚届は事後の報告的な意味合いしかありません。
離婚届に「調停離婚」と記載されると、争ったように見られて体裁が悪いという方もいます。
その場合には「調停により離婚する」と記載しないで、「○月○日に協議離婚届を提出する」という形で調停を終わればいいだけのことです。
そうすれば、調停をしたけれども協議離婚をしたことになります。
住民票の移動や印鑑登録も忘れない
離婚後に、住所が変わる場合には、住民登録係の届出(転入届など)が必要です。
届け先は、移転先の役所です。
離婚届を出しているので、出さなくてもいいように思ってしまいますが、戸籍と住民票の制度は異なるので移転届けとうの手続きが必要です。
住所を移転するために、郵便物を転送してもらうことも必要です。
これは最寄りの郵便局に届けておきましょう。タダで一年間有効で更新することもできます。
また、印鑑登録していれば、この届出も忘れないでくださいね。
調停が不成立だったら
調停を重ねても離婚そのものや親権、養育費など、折り合いがつかないとき、相手が調停に出席しないなどの場合には、調停は打ち切り、つまり不成立になります。
どうしても離婚したいのであれば、家庭裁判所で離婚裁判を起こします。
または、時間をおいてもう一度、調停を申し立てることもできます。
調停や離婚訴訟になると何を言っていいのか、不利になるのかなど微妙な判断が必要なときもあります。
調停で争いになっている夫婦のどちらかは、たいてい法律の専門家に相談しています。
調停離婚でもめている内容が財産の分配で、弁護士に依頼しようとしているのであれば、本人は裁判所に行かなくてもいいケースになります。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
最近では不動産の売却見積もりをインターネット等で1分程度でカンタンに不動産価格を出してもらうこともできます。
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