老後の離婚は「経済」と「孤独」の2つを覚悟する
老後の離婚は「お金」と「こころ」次第
人から見たら、今の夫婦関係が幸せそうに見えるけど、実際には心の中はいつも「離婚したい」と思っている。
今現在、仮面夫婦をしている妻が
「老後は夫と離婚したい」
と思っていることって多いんですよね。
実際に離婚する場面は、まさに最近よく言われている”熟年離婚”のシチュエーションです。
今の結婚生活の不平不満を我慢して、子供が大きくなった後に爆発して離婚する計画をしていたりします。
でも、心のどこかに『一人になったらどうなるんだろう』と一抹の不安を抱えていたりもしますよね。
そんな仮面夫婦の妻が、老後の離婚を実現するには「経済面」と「孤独」を克服する必要があります。
ここでは、老後には離婚したいと思っているなら、将来離婚するまでにクリアーしておく「経済面」と「孤独」の詳細を紹介します。
仮面夫婦が老後も仮面夫婦でいられる?
夫婦は夫婦の数だけ生活が違います。
よそから見たら、仲よさそうに見える家庭でも上辺だけで、心では憎悪の気持ちで過ごしている妻もいます。
よく言われる仮面夫婦ですよね。
「離婚したい」といつも思いつつ結婚生活を送っている夫婦です。
まだ体が動くうちの仮面夫婦は想像できるんですけど、
老後はどうなっちゃうのかって考えることがあります。
仮面夫婦が年齢を重ねて、老後も仮面夫婦を演じることができるか、と思うと疑問ですよね。
さらに言えば、仮面夫婦でなくても、老後を夫婦2人きりで仲良く過ごすのは、案外難しいことかもしれません
老後も仮面夫婦として続きそうにないのは、客観的に見ても想像がつきます。
夫の暴力は、年齢とともに体力も衰えて減少するかもしれません。
でもそのぶん、暴言や汚い言葉の暴力は増えます。
妻の我慢は、体を殴られることじゃなく、精神的にマヒするまで耐えることに変わります。
表立って夫婦ケンカをするわけではないけど、子供のために離婚しないという話はよく聞きますよね。
結婚してから離婚をあきらめ仮面夫婦でいたシーン
- 子供が小さかった
- 子供が大きくなってから
- 子供が結婚してから
- 一人で生活できないから
最初は子どもができちゃったから、「子どものために」離婚をあきらめる。
そのうちに、「子どもが大きくなってから」と仮面夫婦のまま、離婚を先のばししてしまう。
さらに、「子どもが結婚してから」という頃になると、
熟年離婚はその後「一人で生きられないかも」とあきらめてしまうことになってしまうんですね。
夫のお給料がいいから、自分さえ我慢すれば何の不自由もない、などの理由で我慢して夫婦生活を続けていることもありますよね。
実際に、そういった嫌悪と憎悪の気持ちの方が大きい状況のまま、
子供が独立して巣立った後に、二人になって何もないように暮らし続けていけるでしょうか?
仮面夫婦のまま老後も一緒に暮らせますか?
老後になったら、離婚する元気もなくなって、そのまま我慢を重ねて添い遂げる事になってしまうんです。
『本来の人生って、こんなはずじゃなかった』
こう思うのが、老後に我慢を重ねて離婚しなかった結末です。
離婚を先延ばしにすると、家庭内別居か憎悪で争いの絶えないままの夫婦であり続けます。
まさに熟年離婚夫婦と同じなんですね。
でも「老後には夫とは離婚してやる!」と今は意気込んでも、準備をしないままの熟年離婚はキツイです。
老後に離婚して、熟年離婚の道を歩むなら「経済のこと」と「孤独を楽しめる心」の2つが必要だからです。
老後の離婚では自立できてないと「経済」はきつい
離婚して一人で暮らしていくということは、独身生活と同じ、ということですよね。
子供が独立してから、老後に離婚することを考えているなら、子供にかかるお金はないにしても、
女性が老後に一人で生活していくにはそれなりの生活費が必要になります。
その時にあてにするのは、慰謝料や財産分与が考えられますね。
養育費は、一般的には最大でも子供が大学卒業時までということがほとんどなので、社会人になったら考えられません。
慰謝料は、離婚する相手の方が損害を発生させた程度の原因がなければ、熟年離婚でもらえる慰謝料はタタが知れています。
少し前までは、浮気の慰謝料が300万円と言われていましたが、今はどんどん減って100万円程度のこともあります。
財産分与では熟年離婚の場合、いくらか若い夫婦よりは多い程度です。
一般的な家庭では、財産分与の対象になる不動産なども住宅ローンが残っていたり、相当の価値がなければ、とても数千万円に達することはないです。
そう考えると、離婚した際に夫からもらうお金はあてにはできないんです。
老後だったら「年金」も思いつきますが、現在の政治を見て年金をあてにする人なんていませんよね。
老後に離婚したらどれくらいのお金があれば、生活できるでしょうか?
それこそ、人によって生活環境が違ういます。
老後に離婚する時点を、仮に夫がサラリーマンを退職した時と仮定したら、
少なくとも今の貨幣価値で3千万程度の預金がないと不安に悩まされるかもしれません。
将来的に大丈夫、と言える覚悟はあるでしょうか?
少なくとも、仮面夫婦を続けて、その先に離婚があったとしたら、働くことができる時期から働き続けていないといけませんよね。
ギリギリの生活をするにしても、年金がもらえるまで勤務できる会社で働くか、
自立できる医者、美容・理容などの国家資格をとって、手に職をつけていることが前提です。
ずっと夫の保護の下で、世間を知らない専業主婦や扶養の範囲内でのパート主婦が1人で生きるには大変です。
経済的に自立していない人が、いい年して離婚しても苦労するだけということを覚悟しておく必要があります。
老後の離婚で必要な「孤独」とは
「男は女がいなければ生きていけないが、女は男がいなくても生きていける」と言われることがあります。
確かに、離婚して子供も家からいなくなった男性はゲッソリして老け込みますけど、
女性はシングルマザーとして、はつらつとする人が多いですよね。
夫に無理強いを強いられていた妻が離婚をすると、我慢が不要になるので、のびのびと自由に生きられるからです。
女性は別れると肝が座るようなすごい心を持っているところもあります。
でも、熟年離婚はある意味で、とても自己中心的に全てができるくらい強くなければ、女性一人で生活するのはキツいです。
まだ出会っていない他人への期待だけでは離婚はしない方がいい
老後に離婚してから新しいパートナーを見つけて、第二の人生を過ごすのも考えられますか?
老後になって離婚したとして、「まだ出会っていない他人」に期待をするくらいなら、仮面夫婦を演じていた方が楽です。
若い時に外見的に「美人だった」と言われていた女性は見ていてつらいときもあるタイプです。
昔、チヤホヤされている面があるので、自分の思っている以上に魅力があると誤解しているんですよね。
気持ちだけは若いので、心のどこかに
- 男は笑顔で引き寄せられる
- 外見じゃなくて、内面
など、現実的でない気持ちを抱き続けているんですね。
仮面夫婦で何十年も我慢し続けた女性の実際は、痛いおばさんでしかありません。
将来の夫に期待しないで、自分自身で自分を幸せにする
という決意を持たないと老後に離婚してからの生活は大変です。
今の夫との老後よりも、今から出会ういい人を見つけてウフフ・・・と想像を膨らますのは自由です。
でも、そこに期待を抱くのは考えものです。
離婚する前は誰も不幸になるなどとは思わないものです。
熟年離婚するならば、自分1人で充実した幸せな老後を築くために、「孤独を楽しめる心」をもつように気持ちをもっていった方がいいです。
孤独を自分自身で充実させて生きられない人は、「老後に離婚したい」という期待だけをしつつ仮面夫婦を演じていた方が、幸せです。
後悔先に立たずは我慢の結婚生活でよくある
人生の中では、予想のつかない展開になることはあります。
いま我慢して、将来も我慢して、いざ年老いた時に『情』や『別れられない感情』が芽生えるかもしれません。
結婚している時にはイヤだイヤだと思っていた夫と離婚して、熟年離婚って心身共に辛いと感じている人はよくこう思っています。
- 「嫌いな相手でも、誰かいたほうがよかった」
- 「こんな風に一人で過ごすなら、イライラしながらでも世話を焼く夫がいたほうがましだった」
- 「毎日怒鳴られ叱りつけられていた夫に甘えて、依存していたのは自分だった」
- 「熟年離婚なんて、一時の不満解消にしかならなかった」
後悔先に立たず、という慣用句もありますよね。
そこには、配偶者への過度な「心理的依存」があるからです。
「夫婦だから」と、必要以上に配偶者に干渉したことはないでしょうか?
しかし、それは精神的に自立していない証拠です。
お互いに、甘えているんですね。
『尊敬もできない、ストレスがたまる夫から解放されても、自分自身で生きることができる、それが幸せ』
と離婚してから思えないなら、離婚したら後悔するだけです。
それが耐えられないなら、今後は
- 仮面夫婦を一生続けるか
- 離婚の決断を早めるか
しか選択肢はありません。
憎悪の気持ちを持ちながら過ごす老後を迎えて幸せですか?
老後、二人きりで同じ屋根の下で暮らしていける自信がないなら、自分一人で幸せを感じられる心があれば、何倍も気持ちいい人生を過ごせるのではないでしょうか?
老後に離婚するなら「お金のこと」と「孤独を楽しめる心」の2つを覚悟しておけば、老後に離婚したとしても怖くはないです。
今、離婚を考えるときにやっておくこと
離婚のときに問題になるのは、子どものこと・お金のことがほとんどです。
老後に別れるために貯金
貯金と言えば、何かあったときに困らないように備えるというものですよね。
離婚のための貯金として、自分の資金作りという意味なら離婚することが悲観的でなくなります。
夫婦の老後のためには貯金する気にならないのに、“自分の生活資金のため”というとスイッチが入るんではないでしょうか。
もし今、貯金がそこそこあって離婚したいと思っていて、離婚を言い出した後は、夫婦二人が冷静に話し合うことが難しくなります。
特に、財産のことについては話し合えないとこじれることも多いです。
離婚について話し合う前に家の財産チェックをしておいた方がいいです。
大まかでいいのでまずは、この家にどれくらいの夫婦での財産があるのかを把握することです。
その際には、現在の自宅の価値と住宅ローンの残高はあらかじめ計算しておくと、有利に離婚条件を展開できる可能性があります。
直近の価格を知っておけば、安心な準備をすることができますよ。
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