死後離婚という言葉はない

姻族関係終了届の提出すること


「死後離婚」って聞いて、

 

相手が仲が悪い夫だったら、

  • 「これで、キレイさっぱり関係がなくなる」
  • 「結婚生活を我慢していたけど、爆発しなくてよかった」
  • 「あっちの家族とも縁が切れる」
  • 「あっちの先祖代々の墓に埋葬されない」

縁が切れる喜びを想像しますよね。

 

逆に、仲がいい夫だったら、

  • 「夫と離婚することになるの?そう見られるの?」

と、残念な思いをするかもしれません。

 

でも、そもそも

 

「死後離婚」という言葉は法律上、ありません。

 

話題になっているので、いかにもあるように思われていますが、ありません。

 

では、何をもって「死後離婚」というのでしょうか。

 

姻族関係終了届のことなんですね。

 

「死後離婚」の意味は、姻族(結婚して親戚になった人たち)と「縁」を切ることなんですね。

 

そもそも、配偶者が死んだ後に離婚することは法律上できません。

 

離婚届で離婚する場合と似て、非なるものです。

 

つまり、「死後離婚」とは、相手の親戚との関わりを断つこと、とイコールなんですよね。

 

夫婦では愛し合いあって添い遂げた関係でも、

 

「相手の親」が絡むと上手くいかないケースは多々あります。

 

そんな時に、死後離婚という言葉で、姻族関係を終わらすことなんですね。

 

ここでは死後離婚までして、相手との関わりを断つことの手続きや、メリットとデメリットを紹介します。

 

 

死後離婚手続きって何をするのか

 

死後離婚のことを、夫が死んでから離婚すること、と思っていました。

死後離婚という制度は、夫婦関係に関しては、法律上、どこにも出てこないんですね。

そもそも、夫婦関係では、

 

夫か妻が死亡するとと同時に「婚姻関係は強制終了」しているんです。

 

簡単に言えば、結婚が消滅した、ということですね。

 

だから、配偶者も強制的に「独身」に戻るわけなんです。

 

女性の場合だと、よく「未亡人」って言われますよね。

 

あれはイコール独身の意味です。

 

これには、手続きもないわけです。

 

死後離婚と言われているのは、姻族関係を終了することです。

 

「姻族」っていうのが、わかりにくいですよね。

 

死後離婚でよく言われる姻族とは

 

細かい規定は、いろいろ民法にかいてあるのですが、

 

結婚してできた親戚関係のことが、「姻族」と思ってイメージするといいですね。

 

結婚相手が亡くなったから、この「姻族」関係もなくしちゃおう、というのが、死後離婚です。

 

  • 「婚姻」:配偶者の死亡によって、自動的に解消
  • 「姻族との関係」切りたいなら、別途、届が必要

 

法律上に書かれているのは、以下の条文です。

 

民法第728条(離婚等による姻族関係の終了)

  1. 姻族関係は、離婚によって終了する。
  2. 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

 

戸籍法第96条

民法第728条第2項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

 

死後離婚手続きというのは、姻族関係終了届の提出のことなんですね。

 

死後離婚したら苗字はどうなるの?

 

夫との関係では、死後離婚の手続きとは関係ないんですね。

 

ということは、相手が死亡後に戸籍を移動したりすることも可能なんです。

 

希望すれば、「復氏届」を出して、結婚まえの旧姓に戻ることもできるんです。

 

旧姓に戻る、と言えば、離婚届を出したときは、3ヶ月以内、という期間制限がありましたよね。

離婚後の戸籍の変化

 

でも、結婚相手が亡くなった時に出す「復氏届」は期間の制限はないんです。

 

相手が死んだからって、急いで旧姓に戻すことは必要ないんですね。

離婚は意思が入るので、期間制限がありますけど、死亡は意思が入らないので、じっくり復氏するか決められます。

だから、死後離婚した(姻族関係終了届を出した)としても、苗字は変わらない、ということなんです。

 

もし、子供がいたとしたら、子供の名字は死後離婚でどうなるの?

 

っていうところですが、

  • 子供が未成年の場合
  • 子供が成人していて独身の場合
  • 子供が成人していて結婚している場合

のパターンが考えられますよね。

 

この場合には、子供たちが希望したら、(母親の)旧姓にあわせることができます。

 

ただ、三番目の例の時に、子供がすでに結婚して、子供の結婚相手の氏を名乗っていたら、別ですけどね。

 

死後離婚で相続も変わるの?

 

死後離婚(姻族関係終了届の提出)と、夫婦の相続とは全く別物です。

 

だから、相続で残された配偶者の権利には、何も影響しません。

 

もちろん条件さえそろえば、ふつうに「遺族年金」ももらえます。

 

相続した上で、親戚関係を切ることができるんです。

 

相続が始まったら、姑とか相続人じゃない人が、「よこせ、よこせ」言ってきても、関係ないんですね。

妻子で相続してから、死後離婚として姻族関係終了届を出せば、法律上も関わりがなくなりますよ。

相続には影響が無いので、もし、夫婦に子供がいても、

 

夫の遺産は全て妻子で持ち去ってもノープロブレムなんですね。

 

親戚の借金を、夫の遺産で埋め合わせようとしても、死後離婚で無視できます。

 

赤の他人になってしまうわけですからね。

 

死後離婚した後のお墓の管理ってどうなる?

 

「死後離婚」できになるのが、”お墓”です.

 

夫の先祖代々の墓に埋葬されたくない

 

これがために、死後離婚を選択したくなるんですよね。

 

父母が死亡して、お墓の管理者(正確には祭祀承継者)になったりすると、

 

夫婦は、どうしても自分が埋葬される墓の問題とも向き合わざるを得ないのです。

 

そうすると、自分のお墓をどうしようか という問題にもぶつかります。

お墓

 

夫が祭祀継承者になっている場合、当然に夫は自分のお墓に埋葬されたい、と思うのですが、

 

妻の方もっていうわけには、すんなりいかないですよね。

 

「長男だからお墓は守るべきだ!」という考え方だと、

 

夫の実家の方から見れば、「嫁ぎ先の長男の嫁なんだから・・・・」

 

って本来は夫の家の墓に入るのが筋でしょう、と当然のように思われたりします。

 

一方で、妻の方は、夫の先祖代々の墓に入ることに恐怖に近い感情を持っている人もいるんです。

 

また、自分の親が眠っている墓に入りたい、という人もいます。

 

お墓に入る、入らないについて、法律上の決まりってあるんですか?

このことについては、法律上の決まりは何もないんですね。

離婚後に、元夫の墓に入る女性はまずいないですよね。

 

死後離婚で、姻族関係を終了してしまえば、法律上は、他人です。

 

離婚した場合と同じ、ということにもなりますよね。

 

だから、夫婦で意見が違うと、どうするか話し合っておかないと離婚紛争の原因となって、

 

「実家の墓に入りたいので離婚したい」などと言い出すきっかけになります。

 

熟年離婚の原因は、こういったお墓の問題から生じてくるときもよくあるんですね。

 

離婚を考えているのなら、財産問題にならないためにも、生きているうちに、財産チェックはしておいたほうがいいです。

 

もし自宅などの不動産を所有していれば、最終的には財産分与で清算、という方法があります。

 

その際には自宅の価値がどれくらいなのかを把握しておくことは必要です。

 

売却したらどれくらいの価格になるかを出しておけば、資産価値からの処分を検討することができます。

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死後離婚で姑と縁が切れる

死後離婚で姑との縁を切ることができる

 

夫が亡くなってから、姑など義家側で介護問題や生活保護受給などがあると、やっかいですよね。

 

義理の父や母が憎かったり、恨みがある場合はもちろん、

 

そうでなくても、お金に関わる問題なので、介護を視野に入れると、問題が発生した場合に不利にならないようにしたいと思うはずです。

 

死後離婚(「姻族関係終了届」の届出件数)は年増加しているんですね。

 

  • 2013年度 2,743件
  • 2014年度 2,802件(102%)
  • 2015年度 3,493件(124%)
  • 2016年度 4,964件(142%)
  • 2017年度 6,042件(121%)

( )の中は前年比 法務省戸籍統計により

 

その時は、躊躇することなく死後離婚(姻族関係終了届を提出)しましょう。

 

死後離婚のデメリット

死後離婚にデメリットはない

 

基本的に、死後離婚(姻族関係終了届を提出)のデメリットはありません。

 

姻族関係終了届を出せば、確実に「法的な縁」を切ることができます。

 

姻族関係終了というのも、役所の仕事で法律に関することですが、

 

役所で戸籍を調べない限り、親戚にも姻族関係終了届を提出していること自体、気がつかれません。

 

死後離婚していることも、知らんぷりできます。

 

死後離婚で法的に縁が切れるのと感情は別

 

死後離婚は、あくまでも”法的な”縁が切れるだけです。

 

だからといって。姑や義理の家族からの押し掛け行為がなくなる保証をするものではないんですね。

 

夫の親戚関係と犬猿の仲だったら、姻族関係終了届を出して、

 

嫌がらせを受けたら、110番通報して警察官に引き渡すくらいのことをした方が、後々のためにもいいです。

 

2017年に死後離婚として、姻族関係終了届を出した人は、日本全国で約5000件近くに達しているくらいです。

 

2018年10月15日に放送されたNHK『あさイチ』では、

 

「番組のアンケートで5人に1人が、死後離婚を希望している」

 

とも紹介されていました。

 

夫が亡くなったのなら、その後もお金のやりとりなど面倒なことに関わりたくないし、

 

付き合っていく必要を感じないと考えるからなんですね。

 

逆に、「姻族関係終了届」を出そうと思っても、感情的に切りずらい人は、

 

夫の生前も親戚関係と仲がよかった情が残っているからかもしれませんね。

 

「姻族関係終了届」を出せるのは配偶者だけ

 

普通の?生前に離婚する場合、配偶者の財産を相続する権利や遺族年金を請求する権利を失います。

 

死後離婚で「姻族関係終了届」を出せば、遺産は相続できて、遺族年金も請求できます。

 

この届け出ができるのは、生存している夫または妻だけです。

 

配偶者の親はもちろん、相手の親族の同意なども一切不要です。

 

さらに、義父母のほうから妻や夫との親族関係を終了させることも認められていません。

 

夫や妻が亡くなったから、と、残された配偶者に嫌がらせをしてくる義理家族がいたら、

 

周りからの視線を気にしないで死後離婚するメリットは十分にありますよ。

 

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